東北大学
学際科学フロンティア研究所

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當真 賢二 助教(新領域創成研究部)

2016.07.04

當真 賢二 助教(新領域創成研究部)

『プログレス・オブ・セオレティカル・アンド・エクスペリメンタル・フィジクス』に論文掲載

 


 

ブラックホールは周囲の物質を全て吸い込んでしまうイメージがありますが、実際には、物質の一部は吸い込まれる前に高エネルギーを獲得し、重力を振り切って脱出できます。この過程の中で最も謎に包まれている現象が、回転するブラックホールが駆動するプラズマ噴流(ジェット)であり、その駆動機構は宇宙物理学における最大の問題の一つとされています。この問題は、一般相対性理論とプラズマ理論の学際的問題となっており、それぞれの専門家、大家が様々な説を提案してきました。しかし、本論文において當真賢二助教は、どの説も一方の理論では正しそうに見えるが他方の理論と相容れないことを証明しました。そして新たに両方の理論に整合的な説を提示しました。これは数式を駆使する解析的な一般的理論であり、今後、大規模コンピュータを駆使するシミュレーション研究やブラックホールジェットの最新電波観測結果の解釈に深く影響を与えると期待されます。

掲載論文:
Kenji Toma & Fumio Takahara, "Causal production of the electromagnetic energy flux and role of the negative energies in the Blandford-Znajek process", Progress of Theoretical and Experimental Physics, 2016, 3E01 (2016)

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