東北大学
学際科学フロンティア研究所

トピックス

工藤雄大 助教『Journal of Natural Products』誌に論文掲載

2019.06.07

最も有名な毒の一つである神経毒テトロドトキシンは、海洋のフグや貝、陸棲の両生類であるイモリやカエルに含まれ、世界中に分布します。複雑な化学構造と強力な毒性から古くから研究対象になっているものの、自然界でどのように複雑な化学構造が構築されるか(生合成)は未だ不明です。テトロドトキシンの生産者が曖昧であることから、生合成にかかわる遺伝子などの情報は一切なく、解明への糸口がない状態が続いています。

今回、新領域創成研究部の工藤雄大助教と東北大学大学院農学研究科の山下まり教授は、有毒のイモリからテトロドトキシンの新規類縁体および推定生合成関連物を発見しました。得られた新規成分2種と、これまでに同定してきた推定生合成中間体の化学構造をもとに陸上における生合成経路を考察しました。また、得られた新規テトロドトキシン類縁体と、既知の2成分の生理活性(電位依存性ナトリウムチャネル阻害活性)を比較評価しました。これらの研究成果は、テトロドトキシンの生合成経路解明、ならびにテトロドトキシンの構造活性相関研究の一助となるものです。
 
本成果についてまとめた論文(Article)を「Journal of Natural Products」誌にて発表し、5月22日付でオンライン版に掲載されました。
 
 論文情報:
Yuta Kudo and Mari Yotsu-Yamashita* (*corresponding author)
 "Isolation and Biological Activity of 8-Epitetrodotoxin and the Structure of a Possible Biosynthetic Shunt Product of Tetrodotoxin, Cep-226A, from the Newt Cynops ensicauda popei"
Journal of Natural Products
doi: 10.1021/acs.jnatprod.9b00178
https://pubs.acs.org/doi/10.1021/acs.jnatprod.9b00178
 
 
PAGE TOP