東北大学
学際科学フロンティア研究所

トピックス

超高密度金属ガラスの高圧熱処理合成の実現

2019年12月6日『NPG Asia Materials』誌に論文掲載、およびプレスリリース

2020.01.16

新領域創成研究部の山田類助教、先端学際基幹研究部の才田淳治教授らは、物質・材料研究機構(NIMS)の柴崎裕樹研究員(前 学際科学フロンティア研究所助教)らとの共同研究において、Zr50Cu40Al10金属ガラスに高圧熱処理を施し、回収したバルク試料の諸特性評価を行ったところ、超高密度のアモルファス状態が試料内部に形成されていることを明らかにしました。形成された試料の密度は、金属ガラス内に微細な結晶が部分的に析出した試料よりも依然高く、またそれが、優れた機械的特性を有していることが分かりました。今回の研究では、内部組織観察にX線、高分解能透過型電子顕微鏡観察を、また特性評価に、熱分析、密度測定、電気抵抗測定、破壊試験を行い、それらを通じて、「未見のガラス」の創製が予見されました。今後、形成された試料のガラス状態やランダム構造を詳細に評価することで、これまでに未観測の特異な状態が内部に形成されている可能性が考えられ、ガラスの学術研究に大きな知見を与えるものと考えられます。
 
本研究は、日本学術振興会科学研究費助成事業基盤研究[課題番号18H03829]、の支援を受けて実施されたもので、科学雑誌「NPG Asia Materials」に2019年12月6日に掲載されました。また、2020年1月15日に本学よりプレスリリースされました。
 
論文情報:
Rui Yamada, Yuki Shibazaki, Yasuto Abe, Wookha Ryu and Junji Saida, "Unveiling a new type of ultradense anomalous metallic glass with
improved strength and ductility through a high-pressure heat treatment", NPG Asia Materials (2019) 11:72
DOI: 10.1038/s41427-019-0175-1
https://doi.org/10.1038/s41427-019-0175-1
 
プレスリリース:
 
PAGE TOP