東北大学
学際科学フロンティア研究所

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増本 博教授(先端学際基幹研究部)の論文発表(Nature Communications)のお知らせ

2014.07.29

増本 博 教授(先端学際基幹研究部)

Nature Communications(7月22日号)に論文掲載


先端学際基幹研究部の増本博教授は、本学金属材料研究所、(公財)電磁材料研究所、(独)日本原子力研究開発機構と共同で、英国オンライン科学誌Nature Communications(7月22日号)に論文を発表し、大きな誘電率と磁気-誘電効果を示すナノグラニュラー材料の開発に成功したと報告しました。

本研究における重要な発見は、MgF2の誘電率は5程度ですが、Fe-Coのナノグラニュラー磁性粒子を20~30%添加すると約500まで高められること、そしてその誘電率が室温で磁場に反応して高まることを見出した点です。論文では、約3%の変化率が報告されていますが、現在は8%の変化率が得られているとのことです。

既存の強誘電体では、誘電率が数1000という高い物質もありますが、それらは全く磁場に反応しません。また、マルチフェロイック物質(酸化物)の誘電率が磁場に反応することが注目されていますが、極低温(マイナス170℃)でしか現れません。本研究では、誘電体が磁性粒子の微細分散によって誘電率が大きく高まること、それが室温で磁場に大きく反応することの二つの点が新しい物性現象の発見として高く評価されています。

この材料の特徴として、広い周波数帯域で自己制御できることを挙げていますが、これは次世代電子機器等の部品や機能制御センサー素子として応用される可能性があり、現在さらに研究を進めているところです。まだ、未知の可能性を秘めている新しい材料であると言えます。

 
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