東北大学
学際科学フロンティア研究所

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酒量が増える脳内メカニズムの解明 ドーパミン報酬系の異常が飲酒の増大をもたらす

2021年2月9日『Scientific Repots』に論文掲載および2月18日プレスリリース

2021.02.19

 アルコールは脳の報酬系に作用し、一時的な楽しい気分をもたらします。しかし、飲みすぎが習慣化すると飲酒量を自分の意思でコントロールできなくなり、アルコール依存症を発症するリスクが増大します。新領域創成研究部の市之瀬敏晴助教(生命科学研究科兼任)らのグループは、ショウジョウバエをモデルに、飲酒量が日に日に増大する脳内メカニズムを発見しました。アルコールを数日間にわたって繰り返し摂取したハエでは、脳内で快楽を伝達する物質であるドーパミンの受容体の量が増えていました。また、人工的にドーパミン受容体の量を増やすと、過剰にアルコールを摂取するようになりました。ドーパミン受容体は餌の匂いの記憶など脳の高次機能に重要ですが、本研究により、その過剰な活性化は飲酒量の増大というリスクをもたらすことが判明しました。
 
本研究成果をまとめた論文は2月9日付で英科学誌Scientific Repotsに掲載され、2月18日に本学よりプレスリリースされました。
 
論文情報:
Mai Kanno, Shun Hiramatsu, Shu Kondo, Hiromu Tanimoto, Toshiharu Ichinose,
" Voluntary intake of psychoactive substances is regulated by the dopamine receptor Dop1R1 in Drosophila",
Scientific Reports, 11(1).
DOI: 10.1038/s41598-021-82813-0
https://www.nature.com/articles/s41598-021-82813-0
 
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