東北大学
学際科学フロンティア研究所

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翁長朝功助教『Journal of Complex Networks』 誌に論文掲載

2021年3月20日付(グリニッジ標準時)『Journal of Complex Networks』 誌に論文掲載

2021.06.11

社会における意見や行動、アイデアの拡散は、情報カスケードと呼ばれ、直感的には感染症のように人からひとへの拡散を通して広がっていくと考えられます。これまで情報カスケードを直接観測して分析することはできませんでしたが、TwitterなどのSNSのデータを用いることで分析できるようになり、注目を集めています。
 
新領域創成研究部の翁長 朝功助教は、アイルランドリムリック大学のJames Gleeson教授のグループと共同で、Twitterにおける情報カスケードの詳細な分析を行いました。確率過程の一種である分岐過程(branching process)を適用する際に必要な条件を実データが満たしていることを示しました。分岐過程の枠組みを使用してモデルを比較した結果、より一般的な独立カスケードモデルよりも、人間の認知能力に限界があるとするモデルがデータの特性をよく再現すると結論づけました。分岐過程による分析結果は、情報カスケードの重要な統計的特性とよく一致することを示し、社会における情報拡散を理解するために分岐過程理論が有効であることを実証しました。
 
本研究結果は、2021年3月20日付(グリニッジ標準時)のJournal of Complex Networks誌(電子版)に掲載されました。
 
なお、本研究は、日本学術振興会科研費の支援を受けて行われました。
 
論文情報:
J. P. Gleeson, Tomokatsu Onaga, Peter G. Fennell, James Cotter, Raymond Burke, David J. P. O’Sullivan,“Branching process descriptions of information cascades on Twitter”
Journal of Complex Networks.
DOI:10.1093/comnet/cnab002
https://academic.oup.com/comnet/article/8/6/cnab002/6179193
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