東北大学
学際科学フロンティア研究所

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中山 勝文 准教授(新領域創成研究部)

2017.04.12

中山 勝文 准教授(新領域創成研究部)

『Particle and Fibre Toxicology』に論文掲載

掲載日/2017年4月11日


 

新領域創成研究部の中山勝文准教授の研究グループは、ナノ粒子の相乗的な炎症誘導作用を発見しました。これまでナノ粒子の毒性研究の多くは、各々の単独粒子について行われており、複数の異種粒子による相加的あるいは相乗的な毒性作用についてはよく判っていませんでした。そこで本研究において、世界的に最も産生量の多いナノマテリアルであるアモルファスシリカ(二酸化珪素)ナノ粒子と二酸化チタンナノ粒子の混合物の炎症作用について解析した結果、これらのナノ粒子は低用量で相乗的に急性肺炎を誘発することをマウス実験により明らかにしました。この成果は、複数のナノマテリアル暴露によって低用量であっても予期せぬ炎症が起きうる危険性があることを示唆しており、今後のナノマテリアルの毒性評価の一助になると考えられます。

この成果は2017年4月11日に粒子毒性学専門誌「Particle and Fibre Toxicology」(IF: 8.649)の電子版に掲載されました。本研究は、文部科学省研究費補助金、公益財団法人 内藤記念科学振興財団、および公益財団法人 住友財団の支援を受けて行われました。

論文情報:
Tsujita, M., Morimoto, N., and Nakayama, M. "SiO2 and TiO2 nanoparticles synergistically trigger macrophage inflammatory responses." Particle and Fibre Toxicology. 14, 11, 2017. DOI:10.1186/s12989-017-0192-6

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