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高性能のナノ多孔質グラフェン系単原子触媒の開発に成功
2021.07.05
粒子を単原子という極限にまで小さくすると、元素の利用効率を最大化し、さらに、新たな化学的性質をもたらす可能性があります。そのため、単原子触媒と呼ばれる単一原子の形の触媒が、触媒反応の効率と選択性を改善するために、近年広く研究されています。
新領域創成研究部の韓久慧助教、上海交通大学(中国)のPan Liu教授とジョンズ・ホプキンス大学 (米国) の Mingwei Chen 教授の共同チームは、3D ナノ多孔質グラフェン上にNiおよびCu原子を担持させた単一原子触媒を開発しました。窒素ドープしたグラフェンマトリックス内のCuおよび Ni 単一原子の相乗効果により、この材料は酸素還元反応(ORR)に対して並外れた触媒活性を示します。また、この単原子触媒を空気極に使用した充電式空気亜鉛電池は、優れたエネルギー効率、高い出力密度、高いサイクル安定性を示します。本研究で金属空気電池のための効率的で耐久性のある単原子ORR触媒の開発の促進が期待されます。
本成果は2021年6月28日付で「Nanoscale」に掲載されました。
掲載論文:
Yongtai Cheng, Haofei Wu, Jiuhui Han, Siying Zhong, Senhe Huang, Shufen Chu, Shuangxi Song, Kolan Madhav Reddy, Xiaodong Wang, Shao-Yi Wu, Xiaodong Zhuang, Isaac Johnson, Pan Liu, and Mingwei Chen. “Atomic Ni and Cu co-anchored 3D nanoporous graphene as an efficient oxygen reduction electrocatalyst for zinc-air batteries”, Nanosclae, 2021, doi: 10.1039/D1NR01612A
https://pubs.rsc.org/en/Content/ArticleLanding/2021/NR/D1NR01612A#!divAbstract