紐帯の織り手:ネットワーク形成の極意とアカデミアの役割

2018年7月11日(水) 9:30-18:00
会場:東北大学 片平キャンパス 知の館
入場無料・事前登録不要

企画趣旨

 新しい知識を得ること。対話から新しいアイディアを生むこと。あるいは、これまで触れてこなかった世界を知ること。「つながり」がもたらす効果は数知れない。特に現代のような、専門分化が進んだ時代ではそうであろう。

 つながりが持つ力を十全に引き出すには、知識と、技術と、制度の相互作用が必要である。本シンポジウムでは、ネットワーキングの技術およびアカデミアを取り巻くネットワークに関する知識を、トランスファラブルスキルのひとつとして位置づける。そして、とくに国際的なネットワーキングに焦点を当て、先達からその技術と知識を教授して頂く。

 ネットワーキングを単に「コネ作り」として狭く捉えることは、その価値を軽んじることにつながる。ネットワーキングの真価は、学の生態系の構造を知り、その中で自らの役割を定位することにある。

タイムテーブル

9:30開会挨拶
9:35佐藤譲准教授(北海道大学)
10:25大平英樹教授(名古屋大学)
11:15當真賢二准教授(東北大学)

12:05昼食休憩

13:35田畑俊行博士(Laser Systems and Solutions of Europe (LASSE))
14:15有松唯博士(UNESCO)
14:55林育菁博士(Goertek Technology Japan)
15:50パネルディスカッション
17:30閉会挨拶
18:00情報交換会

講演者紹介

佐藤譲

東京大学博士課程修了。博士(学術)。専門は非線形力学系、複雑系。現在は北海道大学 電子科学研究所 / 理学院数学専攻 准教授。

講演タイトル:滞在型研究所での研究活動とその成果

講演要旨:これまでにSanta Fe Institute(USA), Max Planck Institute(Germany), ICTP(Italy), CNRS(France), Newton Institute(UK), BIRS(Canada), Lorenz Center(Netherlands), などで実施した数理科学分野の滞在研究活動とその成果を、各研究機関の歴史的背景や設立目的、運営スタイルの比較分析とともに紹介します。


大平英樹 [発表スライド]

東京大学博士課程修了。博士(医学)。専門は生理心理学、認知神経科学。現在は名古屋大学大学院情報学研究科心理学講座 教授。

講演タイトル:My finest hour (我が最良のとき):研究滞在で培うネットワーク

講演要旨:演者は心理学・認知神経科学を専門としており、2010年度に1年間、University College London(UCL)の生物心理学の研究室に研究滞在した。滞在中、自身の研究を進めたのはもちろん、毎日のように開催される様々な領域の有名研究者による講演やトークを聴講するのが日課であった。また、ケンブリッジ、バーミンガム、パリ、チューリヒ、ボストン、リエカ(クロアチア)などの大学や研究機関に招聘されてトークを行った。こうした機会は、それまで行ってきた研究の発展や新たな研究テーマの開拓に繋がり、大変に有益であった。今日、インターネット等の発達により研究に関する情報は国内に居ても容易に入手できるようになったが、海外の研究機関に一定期間滞在することは、人的ネットワークを広げる上で貴重であり、何より研究者としてのwell-beingを高めることにも繋がる。UCLに滞在した1年は、チャーチルの演説をもじって言うなれば、”My finest hour (我が最良のとき)”であった。


當真賢二 [発表スライド]

京都大学大学院理学研究科博士課程修了(2008)。博士(理学)。自然科学研究機構国立天文台研究員、米ペンシルバニア州立大学研究員(2008-2011)、日本学術振興会特別研究員SPD(大阪大学所属、2011-2013)、東北大学学際科学フロンティア研究所助教(2013-2018)を経て、2018年4月より同研究所准教授。専門は天文学、宇宙物理学。

講演タイトル:身一つで渡り歩く学際ネットワーキング

講演要旨:「なぜ海外留学する必要があるのだろう?」これは日本で研究者を目指す若者が少なからず抱く疑問だろう。そこには「日本にもレベルの高い研究者が沢山いる。」「昔と違ってインターネットが発達している。」「国や企業からの要請なのだろうが、私は自由でいたい。」などの思いがあると想像される。かくいう私も2008年に博士号取得後、似たような思いがあって日本での研究継続を望んでいた。しかし色々な要因からアメリカの大学で博士研究員(ポスドク)として雇用されることになる。これが何の後ろ盾もなく身一つで渡り歩く学際ネットワーキングの始まりとなった。2年半後に帰国して大阪大学に異動し、3年弱新しい研究を行った。さらにその間のポーランドでの2ヶ月の滞在、大阪大学から異動した東北大学での様々な研究、イギリスでの4ヶ月半の滞在などを経験し、現在多くの共同研究者を有するに至っている。本講演では、それぞれの訪問滞在で心がけていること、得られたこと、失敗かもしれないことなどをまとめる。そして私なりに現代の学の生態系と現代の学者業に必要な技術を分析し、それに基づいて上述した若者の思いへの反論を展開し、訪問滞在型ネットワーキングや人的交流のマネジメントの必要性を説く。


田畑俊行

東京大学大学院博士課程修了。博士(工学)。専門は材料工学、ナノテクノロジー。現在はLaser Systems and Solutions of Europe (LASSE) Application R&D ManagerおよびBeyond Lab Lead Ambassador。


有松唯

リヨン第二大学博士課程修了。博士(古代世界言語・歴史文明学)。専門は西アジア考古学、国家形成。現在はUNESCO Junior Professional Officerおよび広島大学大学院文学研究科助教。


林育菁 [発表スライド]

東北大学大学院博士課程修了。博士(工学)。専門はMEMS、システム集積化。現在はGoertek Technology JapanのInnovative Devices & Systems部門ディレクター。

アクセス

お問い合わせ

東北大学学際科学フロンティア研究所[橋本]

E-mail:k-hashi[at_mark]tohoku.ac.jp