東北大学
学際科学フロンティア研究所

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「流体情報学に基づく生体恒常性維持機構の解明に関する研究」

2019.04.12

船本 健一 准教授(流体科学研究所,前新領域創成研究部)

「流体情報学に基づく生体恒常性維持機構の解明に関する研究」

平成31年度 文部科学大臣表彰若手科学者賞


東北大学流体科学研究所(前新領域創成研究部)の船本健一准教授は、『平成31年度 科学技術分野の文部科学大臣表彰若手科学者賞』を受賞しました。受賞の対象となった研究業績の概要は、以下の通りです。
 
空間的な変化を伴う生体内現象の解明には、計測における取得可能な情報の制限と、分解能および精度の限界を克服し、数値解析における現実との乖離を解決する必要があります。また、生体内の微小環境における現象を再現する技術が不可欠です。
船本健一准教授は、流体計測技術と数値流体力学の融合(流体情報学)により生体内の血流現象と微小環境を再現し、生体恒常性維持機構に関するより詳細な研究を可能にしました。計測融合血流解析により血流動態の可視化と血行力学の定量化を行って疾患のリスク評価を具現化し、酸素分圧を制御するマイクロ流体デバイスを開発して細胞群の環境応答の観察を実現しました。
 
本研究成果は、生体内現象の詳細な情報を取得可能にし、健康社会に向けたがんや循環器系疾患の機序の解明と医療診断技術の革新に寄与すると期待されます。
 
略歴
1979年、山口県宇部市生まれ。
2007年、東北大学大学院工学研究科修了、博士(工学)。
東北大学流体科学研究所助教、学際科学フロンティア研究所准教授、マサチューセッツ工科大学客員研究員を経て、2019年4月より現職。
日本機械学会奨励賞(研究)(2007)、日本超音波医学会奨励賞(2010)、日本機械学会バイオエンジニアリング部門瀬口賞(2016)受賞。
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