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学際研究

学際とはinterdisciplinary。国際とはinternational、高校総合体育大会はインターハイ(inter high school)というように、学際とは複数の学問分野の研究者が関係することをいいます。
 私は2014年から、研究所の助教と学際高等研究教育院の大学院生とともに全分野合同の定例セミナー討論会「全領域合同研究交流会」を企画・運営しています。大学院生も含めた全分野合同のセミナーは国内で類を見ないものです。私のこれまでの経験を顧みて、異分野交流には3つの意義があると考えています。

  • 自分の研究の価値を見直せること:異分野交流は自分の研究の面白さを伝えることから始まります。自分の研究課題を素人のイメージで捉え直し、自分が価値があると思う研究課題を見極めることができます。
  • 研究手法を共有すること:課題の解決にアプローチするために、さまざまな分野の研究手法や思考方法を試すことができます。そこから新たな研究分野が生まれることがあります。
  • 社会の中の大学の役割を考え、行動すること:現代の最先端研究は、社会との相互理解なしには良い結果を生みません。大学においては社会と密接に関わる研究者もいれば、間接的にしか関わらない研究者もいますし、関わりを俯瞰できる研究者もいます。大学が社会と対話するには、まず研究者同士の相互理解、そのための異分野交流が有効です。
全領域合同研究交流会の有志が集まり、交流会での話題をピックアップして編纂した書籍を刊行しました。 私はVol.1の序論で上記の3つの意義について詳しく論じています。数式を使わず文章だけで論考を完結することは私にとって初めての経験でした。その執筆の際には、研究所の人文系研究者から手ほどきを受け、多くを学びました。

これまで宇宙物理学の中での異分野交流や宇宙物理学以外の研究者との交流で新しい研究テーマを創出しています。

宇宙物理学

  • Academist Journal 記事「暗黒物質の研究が惑星形成の研究と出会った時 -学際的交流で新しいアクシオン探査法を発見!」
  • 生命科学

  • 「物質である高分子がどのようにして自己複製できるようになったのか? その問いに答える物理モデルを構築」
  • 「生命はなぜ発生し、進化したのか?に答える物理学の総説論文を発表」
  • 人文社会学

  • ワークショップ「声を届ける回路 Scientists and/as Citizens」
  •   参考文献『「大学の社会貢献」報告書』(2019)北海道大学・東北大学・名古屋大学
    東北大学学際科学フロンティア研究所 當真研究室
    Copyright © Toma's research group
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